「BIS規制(BISきせい)」とは、国際決済銀行（Bank for International Settlements、BIS）が策定した金融機関のリスク管理基準や規制を指します。特に、BIS規制の中心的な要素は、銀行の資本の健全性を確保し、金融システムの安定性を維持することを目的としています。これらの規制は、銀行の自己資本比率、リスク管理の枠組み、ストレステストなどを含み、国際的な金融規制の枠組みとして広く認識されています。

BIS規制の主な要素
1.バーゼル規制:
・バーゼルI（Basel I）：1990年代初頭に策定され、銀行の最低自己資本比率を設定し、リスクのある資産に対する資本の保持を求めるものでした
・バーゼルII（Basel II）：2004年に策定され、リスク管理の枠組みを強化し、信用リスク、運営リスク、市場リスクの3つのリスクに対する資本要件を見直しました
・バーゼルIII（Basel III）：2010年に策定され、金融危機後の規制強化を目的として、自己資本比率の引き上げや流動性の要件、レバレッジ比率の導入などが含まれています
2.自己資本比率の規定:
・銀行がリスクを取る際に必要な資本を確保するため、自己資本比率の最低基準が設定されています。これにより、銀行は十分な資本を保有し、リスクに対する耐性を強化することが求められます
3.リスク管理の強化:
・銀行は、信用リスク、市場リスク、運営リスクなどの管理を強化し、ストレステストを通じて潜在的なリスクを評価し、対応策を講じる必要があります
4.流動性要件:
・銀行は、十分な流動性を保持し、短期的な資金調達や支払い能力を確保するための基準を満たさなければなりません

重要性と利用
・金融システムの安定性: BIS規制は、銀行の健全性を確保し、金融システム全体の安定性を維持するための重要な指針となります
・リスク管理の改善: 規制に従うことで、銀行はリスク管理を強化し、潜在的な金融危機に対する耐性を高めることができます
・国際的な標準化: BIS規制は国際的な基準として広く採用されており、異なる国や地域の銀行間での規制の整合性を保つ役割を果たしています

BIS規制は、銀行の資本の健全性やリスク管理の基準を定め、金融システムの安定性を確保するための重要な規制枠組みです。